2018 12/24 「風に揺れる」
良く晴れてはいるが朝から風の強い日。
自らの生涯研究の題材として、三十一年振りに0から翻訳して刊行された「聖書」聖書協会共同訳を先週購入した。
『変わらない言葉を変わりゆく世界に』との言葉が帯に記されている。
今読み進めている本はモンテーニュの「エセー」、サン=テグジュペリ「城砦」、小説に「カラマーゾフの兄弟」、カネッティの「眩暈」を再読している。
あと、手にしてはいたが中々読み進めることができずにいた、井筒俊彦「意識と本質」も読んでいる。
音楽は、Dufay、Bach、ECMレーベルのものばかりを聴いている。
映画はあまり観なくなった。
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10月に右腎臓の動脈瘤が見つかり、残された時間を考えつつ、死を見つめる機会を得た。他人からすれば大したことに思えぬことでも、病や疾患は自分の身に起きれば思わぬ風が吹き、旅の進路を狂わすものだと知った。
悩むところもあったが、医師と相談して動脈瘤の処置は先送りにしている。
やりたいことは色々ある。
が、生活のための日々の仕事を熟しながら
「良本」を読み、思索を纏める署術をしていこうと思い至る。小説の構想も幾つかある。
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《 思索を深め、経験を積み、清らかであればそれで良い。幽艸堂 》
この言葉と共に、大人のモデルとしてのエリック・ホッファーの生き方が自分の意識の内にある。
都会に住んで二十数年。
色々な人間に出会った。相応に学び、悪い人ばかりではないが、すっかり人間嫌いになってしまった。
《 問う人間、彼がまずもって探しあてるもの、それは深淵である 》「城砦1」より
自分にとっては、考えるほどに深く頷ける言葉だ。
ブックオフで拾うようにして百円で買った「エニアグラム」鈴木秀子著が思わぬ助けとなり、社会生活を生き抜く手立てとなっている。スーフィー派の知恵であるエニアグラムを、イスラム世界を行脚していたグルジェフが知って学び、西欧社会にもたらしたとされる。
「自己執着」などの囚われが、9つのタイプに分類され記されている。すばらしい知恵だ。
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人間は、風に揺れる艸のようなもの。
風によって根こそぎもっていかれないように、思念の地脈で栄養を整え、その根を強いものにしなければならない。
さて。創世記を読もう。