落合川のほとりで

連休。

一昨日は、三鷹の古本屋で綺麗な状態の文庫に惹かれて7冊購入。

井筒俊彦、H.D.ソロー、ジャン・ジュネの文庫。

ピエール・ブルデュー著「世界の悲惨」は二冊目に入った。非常に興味深く読んでいる。橘木俊詔著「中年格差」も合わせ読んでおり、これからを思い色々と考えている。

 

2月に父が亡くなり、これまで何かとバタバタしていた。

癌など病についての本を幾つか読んだ。

長生きを諦めたときにこそ、質の高い時間が手に入る。そんな思いを持った。

癌を患い、可能な限りの延命治療に臨んだ父であったが道のりは厳しかった。

抗がん剤をはじめ、薬のための薬を服用し、肉体より先に精神が負けてしまった。

コロナもあって病院に入れず、闘病中の父には一度しか会えなかったが

病院のベッドに横たわる父とクリアボード越しに目を合わせたときに

これが最期になると明確に分かった。

もはや父の目に光りはなかった。

ステージ4の癌が見つかってから1年と2ヶ月の闘病の時。

その間、父の元に闘病に関する本を送り

延命治療に反対をしてきた。そのことに後悔はない。

短くとも質の高い時を過ごそう、そう伝えたかったが

これは父に向けながら、結局は自分に向けて言っていたように思う。

 

この連休は天気がよく、読書や散歩にうってつけ。笑

家からほど近い場所に流れる落合川に沿う道をよく歩く。

川にはコサギが数羽おり

急流部分の岩にじっとしながら長い嘴で小魚を器用に捕らえるのを

何回か見た。その様子に不思議と胸の内のくぐもりが無くなる。

じっとしながら待つのではなく、獲得すべく狙っている様が良い。

そんな鋭敏さをもって、ブルデューを読んでいる。笑

 

そんなこんなですが、そこそこ元気に暮らしています。